マンションは管理を買え!適正な管理を見分けるポイント

こんにちは!
資産価値にこだわる!竹輪式エージェントの竹輪です。
分譲マンションの購入を検討している時に聞く「マンションは管理を買え」という話。
なぜ「マンションは管理を買え」という話が出てくるのか?
この記事では、「マンションは管理を買え」という理由。
実際に物件を探し始めたら、どこをチェックすれば良いのか?
適正なマンションを選ぶためのチェックポイントをお伝えしていきます。
マンションは管理を買えという背景
「マンションは管理を買え」という話が出てくる背景は、どうして出てくるのでしょうか?
マンションという居住スタイルが都市部において定着して久しいです。
日本で最初の鉄筋コンクリート造の共同住宅は、1916年(大正5年)に三菱鉱業が長崎県端島、いまでは軍艦島と言われています。ここに鉱員社宅として建てた、鉄筋コンクリート造7階建になります。
その後、市民のための共同住宅としては、1923年(大正12年)に東京市営アパートとして、東京都江東区古石場に建てられた、古石場住宅になります。
民間の分譲マンション第一号は、1956年の四谷コーポラスとされています。ここから分譲マンションの供給がスタートしていきました。
2018年末の全国の分譲マンションストック戸数は約655万戸、居住人口は約1525万人になります。
都市部ではマンションが住宅ストックの20%〜30%を占めています。
資産価値の下がりにくいエリアの都心3区では、千代田区83%・中央区81%・港区75%という状況です。
資産価値の下がりにくい都市部で物件購入を検討する場合は、マンションを選ぶということが多くなります。

これだけ広く普及した居住形態のマンションですが、このうち第一回目の大規模修繕工事を迎える築12年以上のマンションが約528戸。
設備の老朽化が始まる築20年以上のマンションが約351戸。1981年(昭和56年)以前の旧耐震基準で構造計算されたマンションが約106戸も存在しています。
日本の人口は2010年の1億2805万人から減り続けており、住宅の需要は人口動態と連動しますので、今後ストックマンションが増え続けることが予想されます。
資産価値は需要と供給で決まりますので、管理がしっかりとされていない分譲マンションは選ばれなくなり余ってきます。
空室が目立つ分譲マンションは、より人が集まらず、適正に管理ができなくなるので、ますますマンションの劣化が進んでしまいます。
住めなくなる負け組のマンションが取り残されないように、建替などを推進するために、マンション建て替え円滑化法の法整備が進められています。
実際に建替え工事が済んでいるマンションは、2015年4月現在で、、全国で211件、戸数にすると1万6600戸です。建替え実施中のものが24件、実施準備に入っているものが8件ほどあるが、これらを含めても243件で、戸数にすると2万戸に満たしません。
10年後には、建替えターゲットに入る築40年を超えるマンションが162万戸になることを考えると、建替えられるのはこの中の1~2%程度ではないかと予想されます。
つまり、ほとんどのマンションは建替えできないと言っても過言ではないでしょう。
このような状況を鑑みると、建替がなかなか進まない分譲マンションを選ぶよりは、適正に管理されて劣化を最小限に抑えながら住みやすさを追求してる、勝ち組マンションを選ぶということになります。
「マンションは管理を買え」ということになります。
それでは、適正に管理されたマンションを選ぶためには、どのように見極めたらよいのでしょう?
マンションの管理が適正なのかチェックするポイント
マンションが適正に管理されているかチェックするポイントとして、「経年劣化」に対して、いかに予防保全しているかを見ていく必要があります。
その「経年劣化」を見る時に3つのポイントがあります。
1、物理的劣化
コンクリート躯体の中性化や設備の交換の腐食などの物理的な経年劣化を言います。
一般的な経年劣化とは、物理的劣化を意味しています。
修繕や改修により物理的に修復可能な劣化ともいえますね。
計画修繕における予防保全は、物理的劣化の是正がメインとなります。
- ひび割れ
- 中性化
- 性能低下
- 信頼性低下
- 安全性低下
2、社会的劣化
デザインや設備の性能が時代遅れとなり陳腐化してしまったり、法令が改正されることにより既存不適格になるなど、社会の変遷や生活スタイルの変化や居住者のニーズの動向など、マンションを取り巻く状況が変わることにより相対的に劣化することをいいます。
- 陳腐化
- 既存不適格
- 居住者ニーズ
- 生活スタイル
- 環境性低下
3、経済的劣化
資産価値としてマンションを捉えた時に、転売価格が将来の修繕費用を下回った時点で、経済的劣化が進んだものとみなされます。
バブル期には転売価格が当初の分譲価格の2倍・3倍に跳ね上がり、経済的劣化は逆行する動きを示しましたが、経済低迷期あるいは不況時には、地価の下落と共に経済的劣化は進みやすくなります。
- 転売価格低下
- 資産価値低下
- 修繕費負担
- 保守管理負担
- エネルギーロス
主に管理というと1の物理的劣化に対するところを見ていきますが、現実的には、3つの要因がお互いに関係し合い、さらに居住者の心理的な要因も作用します。
したがって、マンションが適正に管理されているかは、購入を検討しているマンションの維持保全するためには、居住者の合意形成が欠かせません。
所有している物件の資産価値が下がらないように、マンション管理組合が、どのような姿勢で運営しているかを見ていくことが大切になってきます。
マンション管理のチェック方法
マンションの管理が適正に行えているかを確認するには3つの方法があります。
1、現地調査
まずは現地調査です。
専有部分は購入するとリフォームをして修繕することができます。
共用部分については、すぐに修繕するというわけにいきません。
「マンションは管理を買え」といわれる所以です。
物件を探すときは、室内を見て、必要な資料を取り寄せてチェックする前に、実際にマンションに行ってみて現地調査することをオススメします。
現地にいくと明らかに管理が適正に行われていないということがわかるものです。
- 清掃が行き届きキレイになっているか?
- ポスト周りにチラシが落ちていないか?
- 共用部分に各世帯の物が置かれていて雑然としていないか?
現地を見に行って、あまり印象がよくないと、それは管理が適正にされていない可能性が高いです。
その場合は購入検討物件から外していきましょう。
2、資料による確認
現地調査して問題がなさそうなら続いて資料による確認をしていきます。
マンションの管理状況を確認する上で、このような資料で確認していきます。
- 重要事項に係る調査報告書
- 長期修繕計画書
- 管理組合議事録
重要事項に係る調査報告書
重要事項に係る調査報告書には、マンションを管理全体を把握する上で、重要な情報が記載されています。
その中でも修繕履歴は、今までにどのような修繕が実施されているかを確認できるので非常に参考になります。
例えば水漏れ工事という記載があると、配管の劣化が進んでおり、物理的劣化という面で、今後も故障が発生する可能性があり、大規模な修繕が検討されていないと、今後も問題が起こる可能性があるので、購入を見送るという判断になるかもしれません。
それ以外にも、マンション内での事故というネガティブな情報が記載もあります。
マンション全体の管理費や修繕費の滞納額も記載されているので、あまりにも滞納額が多いマンションだと、運営費用に窮してしまうことも考えられます。
長期修繕計画書
次に、長期修繕計画書です。
マンションが今後どのように修繕して維持管理していくかを計画したものなのですが、必ずしもその通り修繕されるものではありません。
しかし、現在の修繕積立金を積み立てていくと、いつまでのどれくらいの資金が集まり、どのような修繕をして活用していくかがわかります。
劣化の進み具合は、それぞれの物件によって変わってきますが、いざ修繕の必要となったときに修繕費が積み立てられていないと、手の打ちようがありません。
新築分譲時に、より販売がしやすくするように、初期の修繕積立金は低く設定していて、徐々に修繕積立金を上げていく計画のマンションが多いので、今後の修繕積立金の上げ幅が大きかったり、一時金が必要な物件も注意が必要です。
昨今建設業界の人材不足や、資材の高騰、円安といった影響で、修繕費用は上昇傾向にあります。
適切に修繕費が積立されていく計画になっているかを見ていきましょう。
総会議事録
最後に管理組合の議事録です。
適切に管理されているマンションでは定期的に総会が開かれ、今後マンションをどのように運営していくか話し合いが行われています。
マンションの劣化を抑えて、資産価値が下がらないように、きちんと管理していく姿勢があるか、この議事録の中でも確認ができます。
今、マンションにどのような問題が起きていて、どのように対処しているのか?
議事録を通して確認していきましょう。
3、売主および住人へのヒアリング
最後に売主へのヒアリングです。
チャンスがあれば住人の人に「このマンションの購入を検討している」ということで、住み心地をヒアリングをしてみます。
売主からはネガティブな情報は出てこないかもしれませんが、それでも実際に住んでいる時の状況の生の声は参考になります。
隣人や上下にどんな方が住んでいるか?直近の総会でどんなことが議題にあがっているか?管理人さんがどんな方か?などを聞いてみると良いです。
住人へのヒアリングはより貴重な情報が出てくる場合もあります。
ご自身でヒアリングするのが難しい場合は、依頼している不動産エージェントに調査を依頼しましょう。
以上がマンションが適正に管理されているかチェックする方法になります。
「マンションは管理を買え」というくらい、管理体制が資産価値に与える影響は大きいです。
きちんと調査をして購入を検討していきましょう。
マンション管理の実例 ブリリアマーレ有明

勝ち組になりえるマンションでは、どのような管理をしているのでしょうか?
参考に東京都江東区にある「ブリリアマーレ有明」という物件の管理内容を紹介します。
ブリリアマーレ有明では、周辺の物件との差別化を図り「リゾート」と「豪華」というキーワードがマンション自体の強みとして、そこコンセプトに沿ったマンション管理運営を行なっています。
管理費の4割を占める駐車場と共用施設からの収入マンションが、「リゾート」&「豪華」を目指すなどというと、多くの人は、現実離れした感じを持つかもしれない。
だが、ブリリアマーレ有明には、現実問題として、そこを目指さなくてはいけない財政的な側面もあります。
1085世帯が暮らすブリリアマーレ有明では、管理費などで月約4600万円が入ります。
年間にすれば5億5000万円を超すお金が入ってきます。
その年間5億5000万円の内訳を見ると、収入としては各戸から徴収する管理費が61%、駐車場収入が30%、共用施設などの施設利用料金が9%。
つまり、約2億円は、駐車場や共用施設からの収入になります。
駐車場は851台ぶんあって1台月1万7000円。
稼働率が91~92%あるので、今のところ年間で1億3000万円の収入になっているが、もしこの駐車場の稼働率が下がると、収入は激減する可能性がある。
しかも、借りている駐車場に止めてある車の車種を見ると、外車が46%、国産車が54%。これは、住民に外車が持てる裕福な層が多くいるということになります。
だが、施設がチープになってくると、こうした層は他のマンションに移っていくことが考えられます。
そうなると、入れ替わりに車が持てないような層の人が増えてくる可能性があります。
同マンションの駐車場の稼働率は、今は90%台と高いが、周囲のマンションを見ると、駐車場がガラガラで駐車場収入が入らないというところも少なくありません。
共用施設についても、周囲のマンションを見ると、当初は多くの人が利用するので収入も多いが、飽きられて施設がチープになり、利用者数も減れば、維持費がかかるぶんだけ負担が増え、収入どころかお荷物となってくるケースもありました。
駐車場と共用施設からの収入が激減すれば、管理費からの収入が6割程度しかないブリリアマーレ有明は、管理そのものが充分にできなくなり、負け組マンションの負のスパイラルに突入していく可能性があります。
こうした現実的な観点から見ると、建物も設備もグレイドを落とさないということは、同マンションにとっては、実はとても現実的な課題なのです。
幸いブリリアマーレ有明は、最上階ワンフロアに25m×4コースのプールや、ジム、ラウンジ、大浴場、エステやマッサージを受けられるスパと共用施設が充実していました。
これらの施設が利用されるように、住人同士の交流会を企画したり、周辺に飲食店が少なかったことから、家賃を取らない代わりにイタリアンレストランを誘致して、子供が小さく外食に行けない家族などが利用できるように運用していきました。
共用施設がより利用されるように、利用ごとの支払いでなく、使い放題のパスポートを発行することで、より活発に利用してもらえるようにしています。
そのような取り組みもあり、年々利用者が増えている状況です。
マンションの資産価値を高める上で、マンション専用ページを作成したり、物件の紹介動画を作成したりしています。
このように管理が適正に行われていくと、住人の満足度も高まり、住みたい人が増えて、空室が出ないとなると、正スパイラルとなりマンションが適正に維持保全されていきます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
まとめ
竹輪式エージェントでは、資産価値にこだわって、失敗しない住宅購入をサポートしています。
「マンションは管理を買え」という言葉の通り、適正に管理さえれている物件を選ばないと、資産価値が下がってしまう物件を選ぶことにつながります。
資産価値の下がりにくい物件を購入したいけど、「どのように探したらよいかわからない」というかた、ぜひ一度ご相談ください。
それではまた!