中古マンションの資産価値を見極める方法5選!30年後も高値を保つ秘訣も解説

中古マンションの購入を検討する際、多くの方が「資産価値はどうなるのか?」と不安を抱えるのではないでしょうか。築年数が経つと価値が下がると言われますが、実際には物件ごとにその要因は異なります。

この記事では、資産価値が落ちにくい中古マンションの見極め方や、価値を維持するための方法について詳しく解説します。資産価値を守りたい方や将来の売却を視野に入れている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

中古マンションの資産価値とは「評価額や市場価値」のこと

中古マンションの資産価値とは「将来的に高く売却できる」「安定した家賃収入を得られる」といった経済的な価値を指します。

近年、マンション購入を「住む場所」ではなく「資産形成の手段」として捉える考え方が広がっています。特に転勤や家族構成の変化で住めなくなった場合でも、賃貸に出すことで収益を得られる可能性があります。

さらに、不動産はインフレに強い資産としても注目されているため、市場価値が維持されやすいのが特徴です。

資産価値の高い物件を選ぶことで、長期的なメリットを享受できるでしょう。

マンション寿命は100年以上!築30年以上でも十分住める!

マンションは適切なメンテナンスを行うことで、100年以上住むことが可能です。国土交通省の研究では、鉄筋コンクリート造の建物の物理的寿命は117年とされ、築30年を超えても建物自体の寿命を心配する必要はないといえます。

築50年程度で建て替えられることも多いですが、建物の老朽化だけでなく、耐震基準の改修や住環境の向上を目的とした場合もあるためです。実際、築30年以上のマンションでも、管理が行き届いていれば、資産価値を保ちながら安心して住み続けることができます。

参照:国土交通省|「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書 取りまとめ後の取組紹介|RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例|P9

中古マンションの資産価値が低下する4つの原因

この章では、中古マンションの資産価値が決まる4つの原因について詳しく解説します。

1. 築年数が古くなる

築年数が古くなると、資産価値が下がる傾向があります。新しい物件と比べて外観や設備が時代遅れとなり、購入希望者の需要が低下するためです。

また、耐震基準の改正により、築年数が古い物件では安全性が懸念される場合もあります。例えば、築15年以内の物件は現代的な設備やデザインが評価されやすい一方、築30年以上の物件はリフォームが必要と見なされ、価格が低く設定されることが多いでしょう。

2. 周辺環境が悪化する

周辺環境の悪化は、中古マンションの資産価値を大きく下げる要因の一つです。近隣の治安が悪化したり、大規模な工場や騒音を伴う施設が建設されると、エリア全体の魅力が低下し、需要が減少してしまいます。

具体例として、以下のようなケースが挙げられます。

  • 緑地や公園が駐車場や大型商業施設の建設予定地に変わる
  • バスや電車の便数が減少する

例えば、緑地や公園が駐車場に変わると、住民にとってのリラックス空間が失われ、地域全体の魅力が低下します。また、駐車場や新たな施設が建設されることで騒音や交通量が増加し、住環境が悪化する可能性もあります。

さらに、公共交通機関の便数が減ると、通勤や通学が不便になり、住みやすさが損なわれます。

3. 建物が老朽化する

外壁のひび割れや給排水設備の不具合が目立つ場合、住み心地や安全性が低下し、購入希望者に敬遠される傾向があります。これらの問題が修繕されず放置されると、「修繕費用が高額になるのでは」と懸念され、結果的に売却時の価格が下がる原因となるでしょう。

例えば、以下のような状況が資産価値に悪影響を与えるケースがあります。

  • 外壁のひび割れが広がり、見た目が悪化しているマンション
  • エレベーターの動作不良が放置され、日常生活に支障をきたしているマンション
  • 屋上防水が劣化し、雨漏りが発生しているマンション

特に築年数が古い物件では、老朽化が進むと価格が大幅に低下することも珍しくありません。購入時には、管理組合がどれほど機能しているかや、修繕履歴をしっかり確認することが重要です。

4. 周辺に競合物件が増える

周辺に新築マンションが増えると、最新の設備や魅力的なデザインを備えた物件が購入希望者に選ばれやすくなり、築年数の古いマンションの需要が低下する可能性があります。

例えば、駅前に新築マンションが複数建設される場合、既存の中古マンションは「魅力が少ない」と判断され、購入希望者の選択肢から外れるケースが多くなりがちです。

さらに、周辺地域の物件数が増加することで価格競争が激化し、既存マンションの資産価値

が相対的に低下することもあります。

築年数別に見る中古マンションの資産価値(成約率)推移

マンションの資産価値は築年数ごとに変化します。以下データでは、首都圏における中古マンションの築年数ごとの成約価格を示しています。特に築15年から25年の物件は、価格が緩やかに安定しやすい点が特徴です。

Screenshot

この章では「新築〜築14年」「築15年〜25年」「築25年以降」の3つの期間に分け、それぞれの資産価値(ここでは成約率とします)がどのように推移するかを詳しく解説します。

新築~築14年

新築から築14年以内のマンションは、設備やデザインが新しく、需要が高いため資産価値が比較的安定している時期です。

ただし、新築時の価格には広告費や販売促進費用などが含まれているため、購入直後に約2割程度価値が下がることが一般的です。築10年以内の物件でも、初期費用が割高になりやすい点は注意が必要です。

一方で、築15年以降の物件は価格が安定し始める傾向があるため、コストパフォーマンスの面では新築物件より優れていることもあります。外観や設備の新しさが魅力ではありますが、長期的な資産価値の推移を見極めることが重要です。

築15年~25年

築15年~25年のマンションは、価格が安定しやすく、資産価値を維持しやすい時期です。

この期間の物件は新築時より価格が適正化されているため、購入しやすい点が魅力です。

また、多くのマンションでは1回目の大規模修繕が実施されるタイミングでもあり、外観や設備が適切に維持されているケースが多く見られます。

例えば、外壁補修や給排水管のメンテナンスが行われていれば、建物の劣化が抑えられ、購入希望者から高く評価されるでしょう。

さらに、管理組合がしっかり機能し、具体的な修繕計画が策定されている物件は、今後も建物の状態が良好に保たれる可能性が高いです。築15年~25年の物件は、価格が比較的割安ながらも資産価値が安定しているため、コストパフォーマンスに優れた選択肢といえます。

購入時には、修繕履歴や管理状況をしっかり確認し、安心して住める物件を選ぶことが重要です。

築25年以降

築25年を超えると資産価値が下がる傾向がありますが、管理状態や立地条件によっては価値を維持している物件も存在します。特に新耐震基準を満たしている物件や、リノベーションが適切に施されているマンションは、購入希望者から高く評価されることが多いです。

また、築31年を超える物件は価格の下落が緩やかになり、成約数が安定する傾向も見られます。

一方で、管理が不十分な物件は老朽化が進みやすく、資産価値が大幅に低下するリスクが高まります。そのため、購入前には管理状況や修繕計画、積立金の有無をしっかり確認することが重要です。

築25年以降の物件は、メンテナンス次第で魅力を保つことが可能ですが、資産価値の安定性では築15年~25年の物件の方が優れている傾向にあります。

資産価値が落ちにくい中古マンションの見極め方4選!

中古マンションの資産価値を守るためには、購入時の選び方が重要です。資産価値の低下を防ぐには、以下のポイントに注目して物件を選ぶことが効果的です。

  • 人気エリアや周辺環境の良い物件を選ぶ
  • 新耐震基準を満たす物件を選ぶ
  • 長期修繕計画の内容を確認する
  • 管理状態が良好な物件を選ぶ

この章では、これらの選び方が資産価値にどのように影響を与えるのか、それぞれ具体的に解説します。

1. 人気エリアや周辺環境の良い物件を選ぶ

人気エリアや周辺環境が整っている物件は、資産価値が落ちにくい傾向があります。交通アクセスが良い駅近エリアや、商業施設や公園が充実した地域は、購入希望者が多いため需要が安定しており、価格が下がりにくいのが特徴です。

例えば、都心の主要駅から徒歩10分以内の物件や、ファミリー層に人気の教育施設が近隣にあるエリアは高い評価を受けやすく、長期的に安定した資産価値を保つ可能性が高いです。

購入を検討する際は、現在の環境だけでなく、地域の再開発計画や人口動態も確認し、将来性のあるエリアを選ぶことが重要です。

2. 新耐震基準を満たす物件を選ぶ

新耐震基準は1981年に導入され、震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない構造が求められています。

新耐震基準1981年6月1日から施行された耐震基準。震度6強から7程度の揺れが発生しても家屋が倒壊・崩壊しないことを目標としており、従来の基準よりも耐震性に関する規定が大幅に厳しくなっている

新耐震基準を満たす物件は、地震への強い耐性が求められる現代において、安全性の面で大きなメリットがあります。

具体的には以下の特徴です。

  • 柱や梁など主要構造部材の強度が高められている
  • 基礎部分の耐震性能が強化されている
  • 壁配置のバランスに配慮し、揺れを分散する設計が採用されている

こうした特性により、住む人の安全が確保されるだけでなく、建物の損傷リスクも低減されます。マンション購入時には建築年を確認し、新耐震基準を満たしているかどうかを見極めることが重要です。

3. 長期修繕計画の内容を確認する

長期修繕計画が適切に立てられている物件は、資産価値を保ちやすい特徴があります。

長期修繕計画日常的な修繕とは別に、一定の周期で行われる大規模修繕工事(防水工事、外壁補修、鉄部の塗装、給排水管の交換など)について、今後30年程度の期間で必要な工事内容や時期、費用を予測し計画したもの

外壁の修繕や配管交換が計画的に実施されているマンションは、劣化が抑えられ、居住者の安全性や快適性が維持されます。一方、修繕積立金が不足している場合は、計画通りに工事が進まず、建物の老朽化が進むリスクがあります。

マンション購入時には、管理会社が発行する長期修繕計画書を確認し、計画内容が具体的であるかどうかをチェックしましょう。なお、長期修繕計画書が手元にない場合は、管理会社に問い合わせて再発行を依頼することが可能です。

4. 管理状態が良好な物件を選ぶ

管理状態が良好なマンションは、資産価値が下がりにくい大きな要因となります。

例えば、常駐の管理人がいる物件や、エントランスや共用部が定期的に清掃されているマンションは、居住者や訪問者に良い印象を与えます。また、管理組合がしっかり機能している物件は、修繕計画が適切に進められやすく、長期的な資産価値の維持につながります。

購入前には、ゴミ置き場やエレベーター内の清掃状況、掲示板の管理状況を確認するようにして、管理の質を見極めましょう。

中古マンションの資産価値を守るためにできる2つのポイント

中古マンションの資産価値は、工夫次第で大きく変わります。ここでは、資産価値を維持・向上させるためのポイントを2つ解説します。

1. 物件購入後のリノベーションを検討する

リノベーションは、中古マンションの資産価値を向上させる効果的な手段です。内装や設備を最新のトレンドに改修することで、居住者の満足度が上がり、将来の売却時にも有利になります。

ただし、古い物件では以下のような理由でリノベーションが難しい場合があります。

  • 建物構造や水回りの配置が当時の設備に合わせて作られており、最新設備の導入が困難なことがある
  • 平成初頭の物件では、管理規約によってフローリングへの変更が禁止され、カーペットでの生活を求められる場合がある

購入前には管理規約や建物の構造をしっかり確認し、リノベーションの可否を慎重に見極めることが重要です。

2. 購入前に信頼できる不動産エージェントに相談する

物件選びの前に、自身のライフプランや住みたい環境を明確にすることで、将来の資産価値を考慮した最適な物件を選びやすくなります。不動産エージェントは、単に物件を紹介するだけでなく、個々のライフスタイルや希望条件に合ったアドバイスを提供してくれる頼もしい存在です。

例えば、「子育て世帯向けの広い間取り」や「リタイア後に適したバリアフリー対応物件」など、購入者ごとのニーズに応じた提案が可能です。さらに、エージェントは地域の市場動向に精通しており、長期的に資産価値を維持しやすい物件選びをサポートします。

信頼できる不動産エージェントの知識とサポートを活用すれば、購入後も価値を保ちやすい物件を見つけることができるでしょう。

中古マンションの資産価値を見極めて将来に備えよう!

中古マンションの資産価値は、築年数や周辺環境、管理状態など、さまざまな要因で大きく左右されます。この記事で紹介したポイントを押さえることで、資産価値が落ちにくい物件を見極めることが可能です。

また、購入後のリノベーションや適切な管理を通じて、さらに価値を高めることもできます。

不動産選びは人生の大きな決断です。竹輪不動産では、物件の紹介だけでなく、お客様のライフプランに寄り添いながら長期的な視点で最適な提案を行っています。

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