◯制度の概要
無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。
制度の背景
日本の分譲住宅購入者の住宅ローン利用状況をみると約7 割を超えています。
住宅購入のほとんどが住宅ローンを利用する実態から、購入者とって最も大きな問題は、いわゆる頭金(頭金や登録免許税・不動産取得税、登記費用等 の取引費用の負担)の制約になります。
通常、住宅購入者がローン を組んで住宅を取得しようとする場合、頭金や諸費用に 充てる一定額の現金を確保する必要がありますが、その額は 年収に匹敵するか、場合によってはそれ以上となることもあります。そして、この頭金制約は、住宅購入者にとっては大きい費用となります。
受託購入時のこの頭金の制約によって、規模が小さい住宅や立地条件の悪い住宅の取得で我 慢せざるを得ず、ライフステージにおいて、本当に必要 な時期に、必要とする規模と質的水準を備えた住宅を取 得する機会を逸することになります。
そのような事態を緩和して、住宅購入がしやすくするために、住宅ローン控除減税が1972年より導入が始まりました。
住宅取得後の減税を行うことで、以下の2つの点で大きな効果があります。
1つは、住宅ローンの返済負担を実質的に軽減させる ことで取得後の生活不安を解消し、住宅取得の時期を早 め、住宅投資を喚起する効果でです。これはまた、頭金 等の形成段階で消費を抑制せざるを得ない期間を短縮することにもなります。
そして、2つめは、住宅取得後の減税によって消費を喚起します。とくに、新たな住宅への入居は、家具や大型家電の ような耐久消費財の購入を伴う等、家計支出が最も高ま る時期でもあるので、このタイミングにおける減税措置 は、マクロ経済全体を通じてみても大きな景気刺激効果 が見込まれます。まさに、この点に住宅の取得後に所得税 減税を行う住宅ローン減税の意義を見出すことができます。
利用した場合のメリット
売主が業者で、販売価格に消費税が含まれているリノベーション済のような中古物件の場合、仮に5,000万円の借入をして住宅購入すると、年間で21万円、13年間総額で252万円(※年収によっても変わってくるので、上限の金額として)もの税額控除が受けられることになります。
年末残高上限3,000万円×0.7%+13年間=252万円
実は収入のうち、住居費と合わせて税金の支払いは多くを占めています。ここの支払いを調整できること家計へのインパクトは大きいと言えるでしょう。
制度の適用要件
住宅ローン減税を利用にあたり、おおまかに下記3点の要件があります。
もう少し細かい要件があるのですが、主にこの3つに合致するかをチェックした上で、その他の要件に抵触していないか確認していきましょう。
1 自らの住居とする
住宅を取得してから6か月以内に入居して、控除を受ける年の12月31日まで居住していることが必要です。居住の実態は住民票により確認します。
2 床面積50m2以上であること。
購入する物件の床面積が50m2以上である必要があります。
よくインターネット上や物件の販売図面に床面積が記載されていますが、その場合に51m2や52m2など50㎡から少し超えたくらいの面積は注意しましょう。
というのも、ここに記載されている面積は、壁芯からの面積といって、壁の広さも面積に含まれています。
住宅ローン控除減税を適用させる面積は、登記簿謄本上の面積の適用になります。
この登記簿謄本上の面積というのが、壁の内側(内法)の面積で測っているので、壁の広さが入っていない分、少し小さくなっています。
50m2ギリギリの広さは登記簿謄本のチェックが必要になるので、担当不動産エージェントへ確認するようにしてください。
どちらかに統一してくれればよいのですが、販売上の面積は少しでも広さを広く見せれるように対応しているので、このようなややこしい事態が発生しています。
3 築年数の要件
築年数がマンションの場合は25年以内、戸建の場合は20年以内である必要があります。
この築年数より古い物件であっても、耐震適合証明書もしくは住宅瑕疵保険の利用が行えれば、利用することが可能です。
旧耐震物件の場合でも戸建であれば、耐震工事を実施して利用できるようになります。マンションの場合は、大規模な耐震補強工事を実施していないと、利用は難しいです。マンションを検討している場合は、旧耐震の物件の場合は、ほぼ利用できない可能性が高いので、資産価値や安全性の面からも、検討条件から外す方がよいでしょう。
築年数の適用要件を超えている物件の場合、住宅ローン控除減税ができるようにするために必要な手続きについては、よく確認しておくようにしましょう。
資産価値が下がりにくい物件を選ぶなら!
住宅ローン控除減税の適用要件に合致している物件の場合、住宅ローン控除減税が使えない物件よりも、受けられる恩恵が大きいため、選ばれる可能性が高まるため資産価値が落ちにくいでしょう。
ただ、この住宅ローン控除の税制優遇については毎年変わってくるので、10年後確実に使える税制優遇という保証はないので、そこは売却するときの税制によって変わることを注意してください。
竹輪式エージェントでは、資産価値の下がりにくい物件をご紹介しています。
失敗しない住宅購入の方法について、不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
それではまた!
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